Watchburg Music
Cover Photo

知ったかぶりのクラシック


都会の喧騒を抜けて旅をしたい

ラヴェル
弦楽四重奏曲

都会の喧騒を抜けて、田園風景の広がる田舎町や静かな海辺の町へ旅をしたい。
そんなあなたに是非お勧めなのが、モーリス・ラヴェル作《弦楽四重奏曲 ヘ長調》なのです。

モーリス・ラヴェル(1875-1937)は《ボレロ》や《展覧会の絵》の編曲等で知られるフランスを代表する作曲家で、この《弦楽四重奏曲》はラヴェル27歳の時、1902〜1903年にかけて書かれた作品です。
弦楽四重奏曲とは、ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロの4つの弦楽器で演奏される合奏曲の事です。
18世紀にハイドンやモーツァルト等の古典派作曲家によって、弦楽四重奏の形式は確立されたと言われています。

ラヴェル作の弦楽四重奏曲は古典形式を踏襲しつつ、同時代のモネやルノワール等の印象派芸術を彷彿とさせるような瑞々しいハーモニーを持っており、正に温故知新といった作風になっております。
そして何といってもこの切ないメロディーが、浮き世の恋の駆け引きや、会社の上司からの圧力に疲れ切った、現代社会を生きる我々日本人の琴線に触れ、郷愁の念を誘うのです。

100年以上前に書かれた曲であるというのに、なんとも新鮮な響きに感じませんでしょうか?

第一楽章
優雅なフランス的なメロディが繰り返し出て来ます。

第二楽章
ピチカート(弦を指で弾く演奏方法)のモチーフが印象的。

第三楽章
緩やかな楽章。第一楽章の音形が引用されています。

第四楽章
活き活きとしたロンド。これも第一楽章からの音形が多数出て来て、楽曲全体の統一感を感じさせます。

 

それではお聴きください。
ラヴェル《弦楽四重奏曲》より第二楽章


記事一覧へ戻る