Watchburg Music
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知ったかぶりのクラシック


暴力と欲望、背徳と官能を躍動的なリズムで描いた不朽の傑作

バルトーク
中国の不思議な役人

聴く者を圧倒する大迫力!
暴力と欲望、背徳と官能を躍動的なリズムで描いた不朽の傑作、それがこの《中国の不思議な役人》なのです。

ベラ・バルトーク(1881-1945)はハンガリー生まれの作曲家、ピアノ奏者です。
またバルトークは民族音楽学の礎を築いた研究者として知られています。
1906年には民族音楽の収集や分析のため、盟友のゾルタン・コダーイ(言語学者・作曲家)達と共に東ヨーロッパ各地やアフリカまで旅をするなど、フィールドワークにも精力的に取り組んでいました。
またかなりのイケメンとしても知られています。

今では組曲としてオーケストラのみで演奏される事が多いようですが、この《中国の不思議な役人》は、元々パントマイムのための舞台音楽として製作されました。
援助交際とオヤジ狩りをテーマにした理不尽極まりないストーリーは、まさに現代日本における社会問題を予見しているかのようで、やはり初演に至って物議を醸し出したそうです。

『癒しのクラシック音楽』とは対極に位置する、全体を支配する不気味な雰囲気、力強いリズム、そして爆音で奏でられる中近東風の旋律に圧倒される事間違い無しです。
ドイツ音楽の荘厳さやフランス音楽の優雅さとは一線を画す、生々しい躍動感を味わってみて下さい。

それではお聴き下さい。
バルトーク《中国の不思議な役人》より抜粋


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