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スティーヴン・デイモン−ティリー


東海岸を燃やす反逆の炎、ニューアルバム発表直前独占インタビュー

Renegade Cartel
写真左=Victor Diego Robles、写真右=Stephen Damon-Tilley

−早速ですが現在あなたがヴォーカル・ベースをつとめるRenegade Cartelの結成についてお話し頂けますでしょうか?

よくあるバンドの募集広告さ。とあるバンドがシンガーを探していたんだよ。そのバンドメンバーにはギタリストとベーシスト、ドラマーがいて、シンガーだけ足りなかった。だから加入当初はヴォーカル専門だった。その後メンバーチェンジを繰り返して今ではリードヴォーカルとベース担当することになった。全くクレイジーな出来事だよ。

−それでは加入前にベースを弾くなんて考えたこともなかったと。

全くその通り!!最初のベーシストは信じられないような凄いベーシストだったんだ。僕もリズムギターくらいは弾くだろうと思っていたんだけど、まさかベースとはね。もちろん、ベースを弾いたことくらいは過去にもあったけど。

−なるほど、興味深い変遷ですね。では現在のRenegade Cartelのメンバーについて、お話しして頂けますでしょうか?

メンバーチェンジが沢山あったから、今は僕とヴィクターの二人なんだ。リードギタリストのヴィクター・ディエゴ・ロブレスがメインソングライターだけど、ヴォーカルのメロディラインと歌詞は僕が書いているよ。それからドラムは友人のロブ・ラフラムがライブのサポートメンバーさ。今バンドは過渡期にある。だから、この先のメンバーがどうなるかなんて誰にも分かりはしないんだ。

−現在三人体制のRenegade Cartelですが、すぐにラインナップが変わったりということも?

そうだね。最近のCartelの編成をパワー・トリオって呼んでいるんだけど、3人で出来うる限りの最高のロックンロールにトライしているよ。King’s X(※ヒューストンを拠点とする3人組プログレッシヴ・ハードロックバンド。VH1 選出「最も偉大なハードロックバンド」83位にランキング)にはかなり影響を受けていて、シンプルなアレンジで大きく飛躍できるようなサウンドに僕らは到達したんだ。ギターをもう一人、それから専任のベースを入れようってよく話してはいるんだけど、3人だとリハーサルのスケジューリングが凄く楽っていう面もある(笑)。

−ところで新しいシングルの『反逆の炎』(原題:Fire)を聴かせてもらいました。スラッシュのようなスタイルのロックンロールに加えて、ブラックサバスやアイアンメイデンのようなダークで美しいアルペジオも含まれています。この曲作りにあたってはどのような影響があったと感じられますか?

君の意見に同意するね!!僕らの音楽はスラッシュと彼の新しいアルバムに凄くインスパイアされているんだ。マイルス・ケネディ(※スラッシュのバンドの現在のシンガー)の声は凄く好きだし、新曲はどれも僕らのバンドに新しいロックチューンを世界に向けて発信するよう、焚き付けてくるみたいに感じられるんだ(※スラッシュの新作はWorld On Fireというタイトルである。日本語だと分かりづらいが、インタビュー中のワードチョイスにスティーヴンのセンスが感じられる)。もちろんスラッシュだけではなく、レッド・ツェッペリン、AC/DC、ガンズ・アンド・ローゼズとか、他のバンドにも凄くインスパイアされているよ。

−確かにあなたのバンドからは70年代ロックの香りがしますね。ところで『反逆の炎』のレコーディング時のベースはあなたが担当したのですか?

『反逆の炎』のベースとドラムは前任者によってレコーディングされたものなんだ。彼らはバンドを去ったけど、その時のエッセンスはまだバンドに残されているのさ。

−分かりました。それではヴォーカルはいつ、どこでレコーディングされたのでしょうか?

昔使ったことのある音楽製作会社でレコーディングしたんだ。A2Cプロダクションズというところで、前に僕が別のバンドでリリースしたミニアルバムの大部分にも関わっている。スタジオも機材もエンジニアもよく知っているから、他のところではもうレコーディングしたいと思わないね。それにオールストン(※ボストン近郊の都市)にあるから良いサウンドを求めて遠くに出かけるなんてことも必要ないんだ。

−以前のレコーディングより、今回レコーディングされたヴォーカルは技術的に大きな飛躍が感じられます。どのようなヴォイストレーニングを行ったのでしょうか?

数年前からヴォーカルテクニックにフォーカスするようになったんだ。今はジェニファー・トバイアスというトレーナーについていて、彼女は僕の歌唱の問題点をすぐに指摘し、声域と持久力を高めることに成功したんだよ。独学で間違った方法を試してきたこともあったけど、すぐに結果が出るように矯正してくれたトレーナーに会えたのは非常にラッキーだったよ。

−では次回のインタビューでは是非ヴォーカルエクササイズとウォームアップについてお話して頂けたらと思います。さてRenegade Cartelの今後の目標について教えて下さい。

僕らは6曲入りのミニアルバムをもうすぐ発表する。30分を超えるこの作品で、ロックンロールは死んでいないっていうことを音楽業界に証明したいんだ。レコーディングに次ぐレコーディングだったけど、僕らは遂にリリースにこぎつけることができた。作品の出来には非常に満足しているよ。このアルバムを引っさげて、できる限り多くギグをしたいし、バンドで成功もしたい。誰だってロックスターになりたいって思うだろう?もちろんコンスタントに新しい曲を書いていくよ。今週末のライブでは新曲を3曲披露する予定さ。ともかく、僕らは前進して行かなくてはいけないんだ。

−ミニアルバムの正式なリリース予定日はいつになりますか?また日本のファンはどうやってRenegade CartelのCDやデジタルコンテンツを手に入れることができるのでしょうか?

セルフタイトルのミニアルバム、『Renegade Cartel』は2018年の5月4日発売予定で、僕らのウェブサイトから直接購入できるよ。日本からだと、一番簡単なのはiTunes、Bandcamp、Google Play、Spotifyとかその他のデジタルサービスからのコンテンツダウンロードだね。

−今回のインタビューをお引き受けいただいて、大変ありがとうございました。日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

日本は僕にとって凄く近くて一生特別な場所さ(※スティーヴンは過去に日本テレビの音楽番組出演のため来日している)。いつかは日本で僕らの音楽を直接みんなに届けたいと思っている。いつも応援ありがとう。たとえどんな辛いがあっても、くじけずにロックし続けるんだ!!


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