Watchburg Music
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ノミネート作品一覧


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達眼の第六回ウォッチバーグ音楽大賞

ノミネート作品一覧
(動画・解説付き)




1. Crossroad
- Ronnie Romero
2. Hurricane
- Uriah Heep
3. 全力キング
- 古川貴之
4. Ginnungagap
- Jethro Tull
5. Scorched
- Overkill
6. ひろがる!スカイプリキュア〜Hero Girls〜
- 石井あみ
7. All Hell’s Breaking Loose
- Raven
8. Ride The Knife
- Sadus


Ronnie Romero Crossroad
作品解説:
レインボーやMSGの活動で知られるRonnie Romero初の全曲オリジナルアルバム『Too Many Lies, Too Many Masters』に含まれる一曲。 ミドルテンポのシャッフル、レギュラーチューニングとブルースフィーリングに溢れたギタープレイ、そのギターと対比するハモンドオルガンなど、流行に囚われないサウンドに多くのロックファンを唸らせた。 加えてディミニッシュ感の強いブルーノートを使用したギターリフ、そしてコーラスパートでの予想を裏切る長二度上への転調、「Im→♭VII→IV」というドリアンモーダルインターチェンジを用いたコード進行など、和声的にも様々な工夫が施されている。


Uriah Heep Hurricane
作品解説:
1969年結成、半世紀を超える活動期間の中で、未だ進化を続けるハードロックバンド、Uria Heepの新作、『Chaos & Colour(邦題:獄彩色)』の一曲。 ヴァース部分では半音階で下がる歌唱にドリアンモードのギターリフが組み合わされ、ブリッジではトライトーンのルートを持つメジャーコード(B♭、E)が交互に現れた後、連続するサブスティチュートドミナントでDドリアンモードのコーラス部分に至る。


古川貴之 全力キング
作品解説:
かつてない壮大なスケールで描かれた2023年のTVドラマ『王様戦隊キングオージャー』の主題歌。 特筆すべきはたった75秒の中に詰め込まれた多彩な曲展開である。 1「ギターのメロディによるイントロ(ジェラミー・ブラシエリのナーレション)」→ 2「ギターのストロークと複雑なリズムのベースで作られるヴァース」→ 3「ギターのストロークと複雑なリズムのベースで作られるヴァース繰り返し」→ 4「完全4度上行が特徴的なマイナーブルース風のコミカルなブリッジ1」→ 5「一瞬現れるドリアンモーダルインターチェンジが特徴的なブリッジ2」→ 6「ドリアンモードとブルースロック風のリフを利用したコーラス」→ 7「ブリッジ2を想起させるポストコーラス」。 平均約10秒で次々と移り変わる展開によって視聴者を飽きさせない工夫は、今後様々な映像作品で模倣される技法となるかも知れない。


Jethro Tull Ginnungagap

作品解説:
18年振りに発表された前作「The Zealot Gene」から僅か1年3ヶ月でリリースとなった最新アルバム『RökFlöte』の二曲目。 令和の時代にMötley CrüeやMotörheadのようなメタル・ウムラウトをIan Andersonが使うことに驚くファンもいたようだが、今作はロック・フルートを前面に押し出す作品であることに加え、北欧神話の『ラグナロック(Ragnarök)』とドイツ語の『フルーテ(Flöte)』に着想を得たとのこと。 リディアン♭7モードによる冒頭のメロディには#4が大胆に用いられており、聴き手にインパクトを与える。



Overkill Scorched
作品解説:
ニュージャージー出身、スラッシュメタルの代表的存在であるOverkillの20枚目のアルバム『Scorched』のタイトルトラック。 同世代のスラッシュメタルバンド、特にBig 4と呼ばれるMetallica、Megadeth、Slayer、Anthraxなどが脱スラッシュから独自路線を進めて今日に至る中、このOverkillは最新作でも初期と変わらぬスタイルを貫きながらも、最高のサウンドの追求している。 本作でも半音階を用いたリフを、ブリッジではリズムパターンの変更に合わせ、長二度移調し、再びトニックキーのコーラスパートに至るという60年代〜70年代ハードロックに見られる曲構成をを利用しながらも、速さを抑え、グルーヴに焦点を合わせた間奏部を作るなど、単なるスラッシュメタルの枠に収まらない曲展開と発展性を感じさせる。


石井あみ ひろがる!スカイプリキュア〜Hero Girls〜
作品解説:
プリキュアシリーズ20作品目となる『ひろがる!スカイプリキュア』の主題歌。 Gメジャーキーで始まるコーラス部分のコード進行の特徴はIVから始まる点であり、フレーズのケーデンスは半終止となるものの、新たなフレーズはIではなく再びIVから始められる。 このようなIVから始まる進行で聴き手の調性を欺く技法はErik Satieの『Gymnopedie』やJohn Klennerの『Just Friends』でもおなじみで、過去にはフレッシュプリキュアの主題歌『Let’s フレッシュプリキュア』にも採用されている。 GメジャーのVからコンスタントストラクチャー的にコードを進行させ、最終的にドミナントモーションで調性を変更したヴァース部分のトーナリティはB♭となるが、ここではマイナーモーダルインターチェンジコードのIVmであるE♭m、サブスティチュートドミナントコードのsabV/IIであるD♭などが現れる。 その後もブリッジ部分も含め、ありとあらゆる手段で遠い位置へとトーナリティを変更させてくるが、楽曲としてのまとまりを失わせないため、転調に伴った大胆なハーモニックリズムが採用されている。 この極端に長いハーモニックリズムが結果として、短い演奏時間の間に劇的な変化を多数作り出す手段としても機能しているとも言えよう。


Raven All Hell’s Breaking Loose

作品解説:
イングランド出身、JonとMarkの仲の良い方のGallagher兄弟を中心として1974年に結成されたヘヴィメタルバンドの15枚目のスタジオアルバムのタイトルトラック。 齢60を超えて円熟味よりも以前と変わらぬ勢いで突っ走る姿勢で多くのリスナーを感動させた。 楽曲は勢いのあるEマイナーのリフから始まるが、その直後にはF#とFをルートとした緊張感の漂うヴァース部分が始まり、短い間隔で音楽の緩急を付けられている。 スラッシュメタル然としたトライトーンや半音階の響きも聴こえるが、全体を通して暖かみのあるサウンドプロダクションとなっている。



Sadus Ride The Knife

作品解説:
「カリフォルニア出身の伝説的スラッシュメタルバンド、6枚目にして17年振りのスタジオアルバム『The Shadow Inside』の4曲目。 元メンバーの中で最も知名度の高いSteve Di Giorgioは参加せず、ドラムスのJon Allenとそれ以外全てを担当するDarren Travisによって本作は録音されている。 冒頭よりE♭から半音ずつ上行していく4音のイントロのギターリフにより聴き手の高揚感が刺激され、その後はこの4音をベースとしたスラッシュメタルならではのギターリフが楽曲における支配権を握ることになる。 中間部ではB♭から半音ずつ下行する4音のリフも現れ、モティーフのインバージョンによる発展を聴くことができる。



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