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【コード理論大全】質問コーナー


ポリコードに対するコードスケールは何を使うんですか?

第七回
ポリコードのコードスケール

Q: ポリコードに対するコードスケールは何を使うんですか?例えばP.367、問65のBb7(b9.#11)、A7(#9)、Db7(9,#11)に対して、どのコードスケールを使うのか教えてください。



コードスケールを導出する際には、まずコードトーンとアヴェイラブルテンションを含む音の並びを考えてください。

Bb7(b9,#11)の場合、コードトーンと指定されているテンションを組み合わせた音の並びは、Bb,Cb,D,E,F,Abとなるので、これらの音の並びを含むスケールが妥当と考えられます。例えばこの並びにFメジャーキーに対してダイアトニックなGを加えて作成されるリディアンb7,b9スケールはコードスケールとして、適当です。また完全五度は含みませんが、b9,3,#11,b7を構成音に含むオルタードスケールやオルタードスケールの変形スケールも良いと思います。

A7(#9)はV7(#9)/VIなので、ミクソリディアン#9,b13やミクソリディアンb9,#9,b13などが良いと思います。セカンダリードミナントのコードスケールについては、最も基本となるコードスケールがP279から記載されています。加えられているテンションによって、ミクソリディアンスケールを適宜変形していけば、セカンダリードミナントのコードスケールは導出することができます。

Db7(9,#11)は典型的なsubV7/Vの形です。指定されているテンションも9,#11とセオリー通りなので、Dbリディアンb7が適当です。この辺りはP292に記載されています。

ただこれらのコードスケールが絶対的に正しく、それ以外のコードスケールが誤りということではありません。例えば指定されているコードのテンションがb13であるのに、テンション13を含むスケールであったり、マイナーコードなのに長三度を含むスケールであったりする場合には明らかにコードとスケールが合致しませんが、 先ほどのA7(#9)に対してのオルタードスケールであったり、Db7(9,#11)に対してのホールトーンスケールであったり、といったコードスケールのつけ方もオプションとして考えられます。

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